2018年6月にヨーロッパ自転車旅行に行った際に9回Warmshowersを利用し、いずれの宿泊先でも大変有意義な時間を過ごすことができました。日本人の利用者について聞いたところ、日本人はおろかアジア系ですらほとんど利用者がいないようですので、利用方法についてしシェアします。
Warmshowersとは
WarmShowersは自転車で旅行するサポートするための完全ボランティアなコミュニティで、自転車で旅行中の旅人に対し、宿泊場所や食事の提供などをしてくれます。ボランティアなので利用料をとるようなことはしません。
AirBnbのようにも見えますが、自転車旅行者に特化していることと、料金をとらないことが大きな違いです。
ユーザーアカウント登録
まず、Warmshowersのサイトにアクセスします。Warmshowersの利用にはアカウント登録(無料)が必要です。アクセスするとデフォルトで日本語表示に設定されます。ただし、日本語版は情報が少ないことと、共通で使う用語を知るためにも、表示言語は英語に変えた方がよいです。
ユーザーアカウント登録時に自分自身の情報を登録します。これはWarmshowersを利用して連絡をした際に、ホストが私の氏素性を確認するために参照されると思います。先方にホストを引き受けていただけるようにするためにも、自分の情報は詳しく書くことが重要だと思います。顔写真はホストの警戒心を和らげる効果があると思いますので、貼っておいた方がよいです。
Warmshowersを利用しているとわかりますが、上記「About you」に趣味趣向、住まい、過去の経験、どのような方を歓迎するなどの人物を想像できる情報が書かれている方が安心感があります。ただし、あくまでもSNSの一種ですので、個人を細かく特定できる情報は書くのは避けた方がいいと思います。
私の場合は、ホストが受け入れを判断しやすくなるように下記情報を記載しています。
- 現在の住所(東京から20kmくらいなど外国人が大体の位置を把握できるレベル)
- これまでの自転車旅行経験(外国旅行の有無や自転車でよく行くところなど)
- 宗教・食べ物の趣向・喫煙有無(アレルギーがある場合は必ず書きましょう)
- 職業(会社名ではなく仕事内容)
- 趣味
ホストの探し方
ホストを探すにはサイト内のホストサーチ機能を利用します。テキストサーチも可能ですが、GoogleMap上にMarkerが表示されていますので、それをクリックするとホストの詳細な情報が表示されます。スマホで利用する場合は、一旦デスクトップモードで表示した方が閲覧しやすいです。
ホストを決めるにあたり重要な部分は、Lodging(ベッドなのかソファなのか)/Food(夕食・朝食があるか)/Language spoken(話せる言語はなにか)です。Storage(自転車保管場所の有無)も情報として記載されていますので、こちらも自転車の盗難を避ける意味で重要な情報になります。記載がない場合でも格納先があることが多いので、連絡する際に合わせて確認しましょう。
FeedBackはきちんと対応してくれた過去を証明してくれますので、ホストが多くいる都市部では最近のFeedbackの有無も確認するとよいです。最後にWarmshowersにアクセスした日とメールに対する返信率の記載もありますので、候補が多い場合は、最近アクセスがあり返信率の高い方を選ぶと良いと思います。
ホストとの連絡
ホストと連絡をとる際にはWarmshowersのメール機能を利用します。
メールの内容はテンプレートとして以下の情報を記載しています。
- 今どこにいて、どこからどこを目指しているか
- いつお世話になりたいか
- WhatsUp/SMSでの連絡先
返信までの期間はホストによりますが概ね1~2日くらいでした。返信がない方もいらっしゃいますので、2~3件に依頼をするほうがいいと思います。
連絡がきたら、何時頃到着するかなど、ホストが迎え入れるため必要な詳細な情報を渡しましょう。返信はメールだったり、WhatsUpだったりと様々ですので、リアルタイムに受信を確認できるようにして即返信を心がけるようにして、連絡をくれたホストへ最大限の配慮をしましょう。
ホスト宅での過ごし方
到着したら…
WarmShowersのホストは自転車旅行経験があったり、ホスト経験があるので、到着直後に洗濯とシャワーが必須なことは十分承知しています。ですので、遠慮なくシャワーと洗濯については到着直後に確認しましょう。
また、WiFiの必要性も十分に認識されていますので到着後に確認しましょう。通信速度は日本のようには高速ではない場合が多いので、旅行中にとった写真のバックアップやデータのダウンロードが必要な場合は充電と同時に行います。
なお、ホスト宅はホテルではなく、彼らの生活の中に入れてもらっている形で一緒に生活している、という意識で利用することが肝要です。例えば彼らが何かの仕事中であったりするならば、それを邪魔しないようにする配慮をしましょう。
次の日の出発予定時刻と向かう先のルートも伝えましょう。ホストは次の日も仕事だったりしますので、ホストの方々の生活に合わせて就寝・起床時間を合わせ、次の日のための準備をします。
食事と会話
長距離自転車移動のあとは大変にお腹が減ることもホストは承知しています。食事を振舞ってくれる場合は、次の日のためにも遠慮なくいただきましょう。私の場合は運動後ということもありますが、どの料理も大変おいしかったです。量もこれでもかというくらい出していただいたので、昼ごはんは少量で済ませることができました。
どのホストも日本人の好む食事についてよくわからないせいか、食事にはかなり気を使っていただくことが多かったです。ですので、振舞っていただいた食事が日本人としてどのように感じるかを伝えるとホストにとっての興味に答えられると思います。また、日本ではどのようなものを食べているかもホストにとっては興味の対象の一つで、会話をはずませるきっかけにもなると思いますので、教えてあげるとよいです。
WarmShowersホストの方は学のある方が多いようで、私がお世話になった方も博士課程だったり、教師だったり、研究者だったりという方が多かったです。外国への関心も高いようでしたので、会話には困らず途切れることもありませんでした。
写真についてはどこでも快く撮らせていただきました。ただ、SNSへのアップを忌諱する方もいらっしゃいますので、写真についてどう扱うかを撮影前に伝え、SNSへあげるつもりである場合は必ず許可をとりましょう。
就寝
就寝は次の日に備えてだいたい12時くらいが目安でした。ホスト宅はだいたい10時半~11時くらいに床についてましたが、私はその日の様子をFacebookにアップしたり、翌々日のホストとの連絡やルートの確認などで12時くらいまで作業をし、その後就寝というペースでした。
朝〜出発
私の時は興奮していたせいか、ほぼ全てのホスト宅でホストより早く起きていました。だいたい7時には起きて出発の準備をし、あとはご飯を食べるだけで出発できる状態にしていました。なお、朝食がないホストの場合は朝食を食べられるベーカリーの場所を聞きましょう。自分で探すのは時間の浪費なのと、現地の人がオススメするところは、どんなところであれ話のネタになります。
なお、ヨーロッパでは朝食はかなり簡素なのがふつうで、パンと牛乳・シリアルという感じでした。
ホスト宅へのお礼について
Warmshowersは無料のボランティアコミュニティですので、お金を払うということはないです。無料である分、ホスト宅への配慮は最大限行いましょう。あらゆる不満は口に出さず、怪我・病気などホストが想定していなかった対応については、後日でもよいので金銭を払うなどのお礼は日本人としてはmustです。
何人かのホストに無料でホストをする理由を聞いたところ、特に理由はなく単に人の役に立ちたいという思いからやっている方が多いですね。あえていうならばコミュニケーションを楽しみたいということでした。
ですので、我々日本人がいく場合は日本のことをいろいろ教えてあげると喜ばれます。ヨーロッパ人は日本という国は知っていて、まるで違う文化で発展している日本に興味を持っている方が多かったです。ただ、日本との接点がないので細かいことはよくわからないらしく、話をすると大変興味深く聞いてきます。日本のことを説明する訓練をしておくと、ホスト宅でお互い楽しく過ごせホストをしてくれた方へのいいお礼にもなると思います。
また、WarmshowesサイトのホストへのFeedbackは必ずしましょう。私の場合はその日の夜に書くようにしました。自分に対するFeedbackもしてくれる場合もあり、以降のホストが自分を安心して受け入れる指標にもなります。
その他
日本人の美意識ですと、自宅に客を通す場合には失礼のないように部屋をきれいにとか、おもてなしの食事を用意するなどになりますが、ヨーロッパの人はそんな特別なことはせず、日常の生活中に入れるという雰囲気でのおもてなしになります。
故に家は日常のまま、食べ物・服装・部屋等はきわめて日常そのまま、おもてなしのための準備は相手に本当に必要な部分のみ(食事・洗濯・睡眠)という感じです。
海外一人自転車旅行でのWarmshower利用は面倒なこと多数ですが、肌感覚で得るものも大きいです。大人の修学旅行って感じです。
これから、ヨーロッパ自転車旅行を計画している方々の一助になれば幸いです。
今年の10月から12月にかけてヨーロッパ自転車旅に挑戦する予定です。
Warmshower使ってみようと思います。
ありがとうございます。
主にフランスでの滞在体験をもとに記載していますが、どの国でも同じような感じと思われます。参考になれば幸いです。